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仏生山の旅 ~後編/ 植物編~

仏生山の旅 ~後編/ 植物編~

仏生山の森をたずねて 香川県高松市の中心に位置する、古いものと新しい物が心地良く交わる町「仏生山(ぶっしょうざん)」。その仏生山で近年街にも県外からの観光者にも愛される温泉について、前回はご紹介いたしました。前編はこちらhttps://yuyu-sousou.com/blogs/column/20210521_kagawa_onsen ゆったりとした時間の流れる、現代的でお洒落な館内。とろりとした湯ざわりの肌に優しいお風呂は、どこからでも丁寧に整備された中庭を眺められ、ついつい長湯をしてしまいます。 今日のお話しは、そんな仏生山温泉から車で約5分。静かな門前町からちょっと外れた、のどかな田舎の風景の真ん中にできた新しい場所。 最近四国の友達のSNSでよく見かける場所、カフェなのか、植物園なのか、動物もいる…?「仏生山の森」のご紹介です。「仏生山の森」は"仏生山の街に根付く"ことをテーマとした自然や食事の体験が出来る場…簡単に言うとレストランとカフェとBBQテラスとケーキ屋さんと料理教室と植物園の楽しめる小さな複合施設です。 『「仏生山の森」の中には、さまざまな憩いの場があります。そして、そこに完成形はありません自然のままに、移りゆく季節と人々の暮らしに合わせながら、心地よく変化していきます。』HPより(https://busshozan-no-mori.com/) 香川県産の野菜やお肉を使った料理、お砂糖などの素材にこだわったスイーツ、それらを訪れた仲間たちと楽しめるBBQ…SNS上では食事の充実さに注目がいきますが、私が感動したのは「仏生山の森ガーデン」です。「100年続く自然」をテーマにした静かなお庭。ガーデニングでは珍しい、造園に使われている植物の95%が宿根草、多年草を用いているそうです。 偶然この広いガーデンを作り上げた高橋彌生(たかはしやよい)さんにお会いすることができ、お話を聞くことができました。 「3000株もの植物を植え、それぞれがそれぞれの適した季節に、最適な状態で観られるようにするのはとても大変なこと。  毎日のお手入れとしっかりした知識、あとは様子を見て理解できる目。植物は可愛いでしょう。それぞれ得意な時期と場所があって、それを知ってあげて、良い時に良く見えるように生かしてあげないと!」  まるで子どもの成長を楽しむように語る高橋さん。19歳の時から植物について学び、50歳から本格的なガーデナーになられた、半世紀も人と同様に植物に愛情を向けてきた方です。 「仏生山の森」全体のテーマである「街に根付く」事と、昨今の庭つくりの流行である宿根草に共通点を得て、「100年先も変化しながら強く美しく街に愛される庭にしていこう。」と3年前に始まったガーデン作り。  3年目にしてようやく最初に植えたものから根が広がり、強く良い状態で咲くようになってきてくれたそうです。 暖かい香川県といえどもまだ3月の寒い時に訪れたので、周りの畑には菜の花が咲き誇っていましたが、青々とした芝生や新緑には遠い頃。にもかかわらず、ガーデンには多種多様の美しい緑や花が咲き誇っていました。 寒い時には背が低くて葉の強い植物が、暖かくなってくると大きな花をつけるものが目立ちだし華やかに。夏には背の高いグラスが風になびいて美しく、秋には木々の紅葉のように足元の葉も色づき、冬を越すための剪定や手入れを入念にすることで、また季節が巡っていく。 そうして年々、強く広くそれぞれが根を広げ、最適な場所を自分たちで選び育っていく。 物言わぬ植物達の意思を感じ取りながら、成長の手助けをする。「とっても大変だけど楽しいのよ。」とお話ししていただきました。 ホームページに記載されているこの言葉とガーデンは欠如していた自然のままにいきる感覚を思い出させてくれた気がしました。 それは日々のうつろいや変化を恐れず、そのままの美しさを認める事。何かをこうしなければ、自分はこうでなければ…無意識のうちにありもしない完成形を求め、自分を縛り、窮屈な思いをしている事。 肩に力が入り、躍起になって理想や完成形を追い求める事は、人が生きる上で大切な事で、その力があるからこそ、人間はここまでの発展をしてこられた事は間違いありません。 しかし、本来人も自然の一部。生まれそして死んでいくただの生命の一つでしかありません。「未完成でいい。」植物を通してこの言葉が思い出させてくれる原始的な生き物としての人の姿。 ありのままを認め、花が咲かない時も、目に見えない土の中で根が眠っている期間も含めて愛する。感じるままに、肩の力を抜いて、生き物としての自分は何を求めているか。 ただ花や緑に癒されるだけでは終わらない、自分自身に問いかけ、気づきを得た旅でした。それにしても、本当に美しいお庭でした。ローズマリーって、日当たりと土の質があっていたらゴロゴロとした岩の間でも根を張って育つそうです。 育ちすぎて邪魔者扱いされがちなミントがあちこちでツヤツヤとした緑のアクセントになり、グランドカバーの多くがタイムの仲間だったり、見知ったハーブが見知らぬ姿でイキイキと育っていました。 私の働く恵みの湯にもハーブ園があります。 主に入浴剤やサウナのロウリュウに使用するために収穫を目的として整地し栽培しています。 整然と整えられた中でも、自分達で場所を選ぶように年々移動するカモミールや、去年はいなかった虫の発生など、植物は思った通りにいかないなと日々考えさせられます。 暑い日が増えてきて、最も植物が元気に育つ時期がきました。 頭を働かせるばかりの日常から少しだけ離れ、自然や植物に触れられる畑の時間。 植物の声に耳を傾け、未完成の生む変化を楽しみながら成長を見守っていきたいと思います。 参考:仏生山の森 公式サイト  https://busshozan-no-mori.com/...

仏生山の旅 ~後編/ 植物編~

仏生山の森をたずねて 香川県高松市の中心に位置する、古いものと新しい物...

和ハーブインストラクター半谷美野子さんに学ぶ  「その雑草、実はハーブです」

和ハーブインストラクター半谷美野子さんに学ぶ  「その雑草、実はハーブです」

初夏から夏に向けて、庭や畑にどんどん増え続ける雑草。そして、多くの方が悩む雑草処理。雑草抜きはとにかく大変な作業です。 この雑草の中にも実はハーブとして役立つ植物、食べられる植物があるのです。 今回は、和ハーブインストラクター半谷美野子さん宅のお庭にお邪魔して、雑草なのだけどとっても使える植物のお話を伺いました。 半谷さん宅のお庭には、ご自身で植えられた植物やどこからかやってきた植物など、何十種もの植物が育っています。そして、そのほぼ全てが暮らしに使える植物です。 セイタカアワダチソウ キングオブ雑草と言っても過言ではないほど、どこにでも見かける野草。9月ごろに黄色の花を咲かせます。 ヨーロッパではセイタカアワダチソウの花を抗アレルギーや泌尿器系に良いとメディカルハーブとして扱っています。また、北米ではセイタカアワダチソウの花から採れる蜜を「ゴールデンロッドハニー」として販売しています。まろやかでフローラルな香りがあると人気です。日本でも、輸入食品を扱うショップで購入することができます。 セイタカアワダチソウの葉は、てんぷらにしても美味しいそうですよ。さらに、花が咲く前のつぼみを乾燥させて、入浴剤として使うと気泡が立ちアワアワのお風呂になるとか。今年の秋に試してみようと思います。 コメツブツメクサ 黄色い米粒のようなとってもかわいらしい花を咲かせます。以前は、関東より北ではあまり見かけなかった雑草ですが、今はどんどん北上しているそう。コメツブツメクサは、抜かないとどんどん増えてしまうので、ある程度の処理は必要です。 また、この黄色の花は食べることができるので、サラダのトッピングやクッキーの飾りにも使用できます。 ニワゼキショウ ピンクの花が可愛いアヤメ科の多年草です。半谷さんは、小学校のころ友達と一緒に「ダイヤモンド草」と名付けて呼んでいたそうです。この可愛い花を、お菓子の飾りやお茶のトッピングに使うととても華やかになります。※白い花はシロツメクサです。 クリーバーズ 日本では「ヤエムグラ」と呼ばれている植物です。実はこの雑草、リンパ系に働きかけたり、肌へ働きかけたり、そのほかにも様々な作用を持つハーブとして使われ、実際に販売もされています。味は、ほんのり甘みがあり、まろやかだそうです。私も、見つけたら乾燥してお茶にしてみようと思います。   キランソウ 別名、ジゴクノカマノフタと呼ばれるシソ科の野草。内用、外用ともに使用され、イシャイラズ、ヤマイシラズと言われるほど、様々な効果効能を持っています。乾燥した茶葉をお茶にして飲んだり、生葉の汁を外用に利用したりします。 ハルジオンとヒメジョオン ハルジオン ヒメジョオン 春から初夏にかけて咲くハルジオンと初夏から夏に咲くヒメジョオン。どちらもそっくりなカラスノエンドウとスズメノエンドウ、カスマグサ花ですが、見分ける方法は、つぼみが垂れ下がり、茎の中身に空洞があるのが「ハルジオン」、つぼみがピンと立ち、茎の中身が詰まっているのが「ヒメジョオン」です。 ハルジオンのつぼみは、茹でて甘酢漬けにするとかわいいです。また、ヒメジョオンの花は、茹でて白和えや天ぷらにして食べることができます。   カラスノエンドウとスズメノエンドウ、カスマグサ この3種も身近な場所でよく見かける、そして見た目がよく似ている野草です。 カラスノエンドウ カラスノエンドウは、全草(葉、茎、花、種)、食べることができます。穂先をかきあげにしたり、乾燥させ炒ったものをお茶にします。お茶はとても美味しいそうです。また、花はデザートのトッピングにすると可愛らしく仕上がります。  スズメノエンドウ スズメノエンドウは、カラスノエンドウよりもサヤが小さく、種のつき方が違います。小さな葉の先は平らになっています。この葉をサラダに散らしたり、オムレツに飾ったり。花はデザートのトッピングに。スズメノエンドウは、高級フレンチやイタリアンでも利用されています。...

和ハーブインストラクター半谷美野子さんに学ぶ  「その雑草、実はハーブです」

初夏から夏に向けて、庭や畑にどんどん増え続ける雑草。そして、多くの方が...

仏生山の旅 ~前編/お風呂編~

仏生山の旅 ~前編/お風呂編~

心の故郷をもつ事。 何かの占いで、私は心の故郷、心の帰る場所を強く必要とするタイプであると出たことがあります。疲れた時、傷ついた時、生活の中がストレスやマイナスなイメージで充満してしまった時。 眠ったり、食べたり、本を読んだり、お風呂に入ったり…解消する術は人それぞれありますが、私は好きな土地へ行く、がかなり上位の方法だとその時意識しました。 コロナ禍で自由に外出もままならないストレスフルな日々が続く中、いろんな思いを抱えながら私はある土地に足を向けました。 香川県高松市仏生山町 小さな香川県のほぼ中心に位置する3㎢にもみたない小さな町です。 江戸時代は門前町として栄え、大正時代以降、高松琴平電気鉄道株式会社、通称「ことでん」の車両基地のある駅として賑わいました。 しかし廃線や市町村合併のあおりを受け徐々に街は静かに、寂しくなっていきました。 しかし戦争の影響をさほど受けず、江戸時代から続く商家を中心とした街並みが至る所に健在する仏生山町です。 近年、古き良き日本の風景を見させてくれるこの街は、創業200年以上変わらず作り続ける醸造所や、古民家をリノベーションしたカフェなど、新しいものと古いものが融合した街は、味わい深く心地よい場所です。 2010年から3年おきに開催する【瀬戸内国際芸術祭】の影響もあり、ふらりとあてもなく散策するに最適な街として人気が出ています。 今回はその仏生山町の中でも特に注目されている場所【仏生山温泉天平湯】にお邪魔してきました。 仏生山温泉天平湯 温泉とは思えないモダンな外観。こちらが仏生山温泉天平湯です。 泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉、かつては美人の湯と呼ばれた重曹泉です。 炭酸の泡を消さないように、極めて低め(30℃以下)に設定された露天風呂が人気で、ぬるぬるツルツルとした湯触りで肌に優しいお湯です。丁寧に整備された中庭を眺めながら、季節を問わずゆったり長湯ができます。 ぬるいお風呂だけでなく、45℃近い熱いお風呂から、42℃、38℃と段階があり、サウナのようにお風呂で温冷交代浴ができるのも嬉しい所です。 仏生山温泉のモダンでお洒落な館内は、長い廊下に沿って、琉球畳やローテーブル、低いベンチが外に向かって設置されており、館内の人の動きを気にすることなく、ゆったりくつろげます。 低く設定されたローテーブルには、お土産物や県内の美術館やアートイベントのチラシが充実し、視線が自然と下へ、そのまま座り込んでじっくり見てしまいます。重力を強く感じる休憩スペースです。 50mの仏生山小書店と呼ばれる古本コーナーは、仏生山の古い街並みに触発され、ついつい難しくても読んでしまいたくなる、明治〜昭和初期の小説が充実しています。 全体的にホワイトキューブ、現代美術のギャラリーのように白く四角く平坦な建物の内装に、シンプルなロゴのあしらわれた、ハッキリと目の引く赤と青の暖簾も、懐かしくも新しい。 天井には剥き出しの配管が走り、全て隠すでも曝け出すでもなく金属質の天井が隙間を持ちながら並び、間接照明の光が無機質な冷たさを洗礼された美しいもののように浮かび上がらせます。 黒い外壁で囲われた中庭を眺めながら食事をとれる食堂で、この日は黒蜜のカキ氷をいただきました。 ゴロゴロと白玉が隠れたフワフワの氷に黒蜜は自分でかけるスタイル。 もう少し暖かくなると、地元産のキウイを使用した自家製シロップが1番人気です。 うどん県だけあってメニューはうどんが多め。 どのメニューもいりこ出汁が効いてすっきりとした味わいです。 どの時間帯も若い方は目立ちますが、地元のお年寄りは当然多く、お客様の年齢層や客層のバラつきは他の温浴施設より広く感じます。 街に突如現れたお洒落な空間で、芸術祭帰りのいかにも!な若者達と、地元の方が等しくくつろぐ姿は、最初はちょっとした違和感すら感じました。 しかしその違和感は一瞬で、不思議なほどに融和する古いものと新しいもの。それこそがこの温泉の魅力、この街の魅力ではないかと気付きました。...

仏生山の旅 ~前編/お風呂編~

心の故郷をもつ事。 何かの占いで、私は心の故郷、心の帰る場所を強く必...

土と植物に癒される、家庭菜園を楽しもう

土と植物に癒される、家庭菜園を楽しもう

こちらのコラムでは、自分らしくナチュラルに暮らすためのポイントを、各務原の街の魅力と共にお伝えしています。 雨が多く、肌寒い日も続いていた4月。 ゴールデンウィークをあけると、一気に暖かくなり、新緑が眩しくなりますね。 思わず外に出たくなるこんな季節ですが、コロナ禍では旅行に行くのもなかなか難しい・・・。 そんな時はお庭やベランダで、野菜を育ててみませんか?   野菜の苗を買ってみよう 先日、野菜の苗や種を買いに、岐阜県各務原市にある「伊木山ガーデン」の園芸館に行ってきました。 伊木山ガーデン https://www.igiyamagarden.com/blank   東海地区最大級と言われるこちらの園芸館は、花や野菜の苗から観葉植物、鉢や土まで、おうちで植物を育てるためのものが全て揃っています。 今回は、ミニトマトやししとうなど夏に採れる野菜や、パセリやバジルなどの便利な薬味など、育てやすい苗を探しに行きました。 たくさんの苗に囲まれて、あれもこれも気になってきます・・・! ミニトマト一つとっても種類も様々。 そんな中から、皮が薄くて糖度が高いという「甘っこ」「千果」の2種類を買ってみました。 野菜は他にも、ししとうやオクラなど失敗しにくいものをチョイス。 庭からちょこちょこ摘んで使うのが便利なハーブや薬味は、毎年育てていてとても重宝しています。 トマトにも合うバジルはマスト! 放っておいてもぐんぐん育つし、香りがとっても良いので収穫が楽しみなハーブです。 他にも、大葉やパセリ、わけぎなどを買いました。   カゴの中にいろんな野菜が入るとワクワクしますよね。 春は野菜が育ちやすく、売り場にもたくさんの苗が溢れているので、この季節こそ家庭菜園にはぴったりです! 伊木山ガーデンには、野菜の苗以外にもたくさんのお花や観葉植物もあり、見ているだけでも楽しくて1〜2時間があっという間にすぎそうなのですが、今日は我慢。 家に帰ってすぐに苗を植え替えましょう!   畑やプランターに苗を植えよう 我が家には小さなお庭があるので、土を耕して野菜の苗を植えます。ハーブ類はプランターへ。 土を掘っているとダンゴムシやアリなどいろんな虫たちがやってきますが、ちょこまかと動き回ってかわいいなあと思います。 ポカポカとした日差しに少し汗をかきながら、時に風が吹いて気持ちの良い朝。...

土と植物に癒される、家庭菜園を楽しもう

こちらのコラムでは、自分らしくナチュラルに暮らすためのポイントを、各務...

一番風呂は身体に良くないって聞くけど本当なの?

一番風呂は身体に良くないって聞くけど本当なの?

まだ誰も入浴していない、まっさらなお風呂である一番風呂。一見、キレイで気持ちよさそうに見えますが、身体にとっては、あまり良くないということをご存じでしたか。今回は、この一番風呂についてお話させていただきます。 一番風呂は身体に良くない 皆さんは、一番風呂お風呂に入った際に、肌がピリピリと感じたことはありますか?肌の敏感な方や乾燥肌の方は感じやすいかもしれません。この肌に刺激を感じることが一番風呂において「身体に良くない」と言われる理由です。 水に含まれるミネラル成分は、雨水などが大地にしみこみ川となって流れていく過程で、地層などに含まれる成分が溶け込んだものです。 日本は、密度の低い透水性の高い火山性の地層が多いため、地下水の滞留時間が短いこと。また、川の水も土地が狭く傾斜も急なため、海までたどり着くのが早く、ミネラル分を多く含むことなく海に流れ出てしまうため軟水になる地域が多いのです。よって、ほとんどの家庭の水道水にはミネラル分がほとんど含まれません。当然のことながら、一番風呂の湯にも同じことが言えます。 世界一安全と言われる日本の水道水 日本の水道水は世界一安全と言われ、全国どこでも安心して飲むことができます。菌の繁殖を防ぐために微量の塩素が含まれていますが、水道法に基づき厳しく品質管理がされているため飲用することができます。しかし、肌が敏感な方には、この微量の塩素でも肌に刺激を感じたり、肌荒れを起こしたりします。 一方、人の皮膚には、細胞や血液などの体液があり、この体液にはたんぱく質やミネラル分などが含まれています。この体液は、水道水よりも濃度が高いため、体液よりも濃度の薄い水道水は皮膚の中まで浸透します。この現象により、肌の敏感な方は肌にピリピリとした刺激を感じるそうです。刺激を感じない人でも、指先がふやけてシワシワになったりしたことはありませんか。その現象も、水道水が皮膚に浸透することによって起こります。 では、二番風呂はどうでしょうか。二番風呂では、湯の成分が異なります。人はお風呂に入るだけでも皮膚表面の汚れが取れます。一番風呂に入った人の汚れ(アカ、皮脂、汗、古くなった角質など)が湯に溶け込むことにより湯の濃度が濃くなります。また、この汚れが塩素の働きも弱くしてくれます。以上のことから、肌に優しい湯へと変化するのです。 二番風呂のようなお風呂にする方法 ただ、二番風呂に入りたいと思っても、誰かが一番風呂に入らなければならないですよね。一人暮らしの方は、一番風呂しか入れません。また、二番風呂が良いとわかっていても、湯の汚れが気になって入れない方もいるでしょう。この解決策として、入浴剤を使用する方法があります。 入浴剤には、ミネラル分などの成分が配合されており、湯に溶かすことにより二番風呂と同じような湯質にすることができます。また、多くの入浴剤には塩素を中和する成分も含まれているので、肌へのピリピリとした刺激を和らげることができます。 最近は、浴槽に悪いとの理由で入浴剤を使わない人もいらっしゃいますので、別の方法もご紹介します。ビタミンCを多く含むレモン汁やユズ皮、ミカンの皮など柑橘系の皮を入浴剤の代わりにお風呂に入れることで湯の塩素を減らすことができます。ただし、肌の弱い方はユズやミカンの皮で皮膚刺激が起こることもあります。私は、ユズで皮膚刺激が起こりやすいため、ユズ皮を陰干しでカラカラに乾燥させてから使用するようにしています。 他に、大さじ2杯程度の砂糖をお風呂に入れるのもオススメです。黒糖やきび砂糖、てんさい糖などミネラル分の多い砂糖を使えば、二番風呂のようにお湯は柔らかくなり、また肌への保湿効果も期待できますよ。 一番風呂は怖くない!少しの工夫で、肌に優しいお風呂を楽しんでみてくださいね。 【参考文献】早坂信哉 「最高の入浴法」大和書房SUNTORY 水大辞典 https://www.suntory.co.jp/eco/teigen/jiten/   CHIHO.hoshiyama ハーブ&バスセラピスト® 岐阜各務原にある創業25年の風呂屋「恵みの湯」で人気の岐阜産”伊吹薬草湯”に自身の不調を支えられた経験より、日本古来から伝わる植物浴の素晴らしさを多くの人に実感してもらいたいという想いからHERB&BATHプロジェクトを始動。入浴で身体を温める大切さを伝えるバスセラピストとして、植物の活用を広げるハーバルセラピストとして活動中。また、自社ハーブ農園にて農薬を使用せず様々なハーブを栽培しています。温泉入浴指導員・温泉ソムリエマスター     JAMHA認定ハーバルセラピストJAMHA認定ハーブ&ライフコーディネーターJAPHY認定 ハーブティーソムリエ  

一番風呂は身体に良くないって聞くけど本当なの?

まだ誰も入浴していない、まっさらなお風呂である一番風呂。一見、キレイで...

こどもの日と端午の節句。母に感謝し、菖蒲湯で邪気を祓おう

こどもの日と端午の節句。母に感謝し、菖蒲湯で邪気を祓おう

5月5日はこどもの日。 こどもの日といえば、こいのぼりや五月人形を飾ったり、柏餅やちまきを食べる「男の子のお祭り」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 お風呂屋さんの業界では、こどもの日といえばなんといっても「菖蒲湯」です。一般のご家庭では、なじみが薄いかもしれませんが、こどもの日の「菖蒲湯」は、冬至の「ゆず湯」と並ぶお風呂の一大イベントなのです。 「こどもが菖蒲湯に入ると元気に育つ」 「菖蒲が邪気を祓ってくれる」 など、さまざまな言い伝えのあるこのイベントですが、その意味や由来について、また、ハーブ湯としての菖蒲湯のメリットなどについて、ご紹介したいと思います。 「端午の節句」は男の子の節句 こどもの日が1948年、戦後に生まれたのに対して、端午の節句は「五節句」といって、奈良時代に中国から伝わった伝統行事です。ちなみに「端午」の「端」という字は初めという意味「午」という字は五に通じるということで、5月初めの5の日、すなわち5月5日を表しています。 日本に伝わった当初はまだ男の子の節句という意味合いはありませんでした。 江戸時代、幕府は端午の節句を大切な日として祝日と定め、菖蒲と尚武(武事・軍事を尊ぶこと)の音が一緒であることから、男の子を祝う祭事へと変わっていきました。 武家社会の間で鎧兜や武者人形などの「五月人形」を飾り、男の子の厄除けと立身出世を願うようになりました。やがて一般庶民の間でも広がり、武者人形や鯉のぼりを飾るようになり、端午の節句は、男の子が強く育つように祈りを込める日になりました。 これが現在も引き継がれて、5月5日が男の子の節句となったのです。 お風呂屋さんとしては、こどもの日の行事として、一般的にこいのぼりや柏餅と比べるとまだまだ知られていない「菖蒲湯」をもっと広げたいと思っています。 菖蒲で厄除けと男の子の成長を願う! 前述のとおり、古代中国では菖蒲の強い香りから「邪気を祓う」効果があるとされていました。 また、菖蒲酒にして飲んだり、葉や根を束ねてお風呂に入れる「菖蒲湯」に浸かるという風習が生まれました。 菖蒲の香りがもつ効果とは 菖蒲湯は、血液循環を促して身体を温め腰痛や神経痛をやわらげる効果があるとされています。また、香りによって心身のリラックス効果を得ることもできます。菖蒲の香りは強いですが、含まれる成分には刺激の強い成分は含まれません。そのため、赤ちゃんや肌の弱い方でも入浴可能と言われています。 菖蒲湯の効果をもっと高める方法 菖蒲の葉を10本程度束にして湯船に浮かべれば、菖蒲湯の完成です。でも、せっかくさまざまな効果が期待できるなら、できるだけその効果を高めたいですよね。 1.根付きの菖蒲を使用する 菖蒲湯には主に菖蒲の葉が利用されますが、根茎の方がより多く精油となる成分が含まれているため、香りやその効果、根付きの菖蒲を使用した方が強くなります。しかし、なかなか通常のスーパーでは手に入らないことが多いので、もし手に入れば、という方法になります。 2.お風呂の湯温を熱めにする お風呂はいつもより少し熱めに沸かした方が、菖蒲の香りや効果がより強く引き出されます。注意点としては、小さなお子さまや赤ちゃんも入浴する場合は、洗面器を使う以下の方法がおすすめです。 ①菖蒲の葉(根)を2㎝くらいに刻む ②刻んだ菖蒲をネットや不織布等に入れて洗面器に入れる ③洗面器に入れた菖蒲に熱湯を注ぎ、10分蒸らす ④菖蒲を洗面器のお湯ごとお風呂に入れる 3.菖蒲の葉や根は細かく刻む 菖蒲湯の写真などを見ると、菖蒲の葉を束にしてそのまま湯船に浮かべているものが多いのですが、菖蒲の葉や根をそのまま入れるのではなく、ハサミなどで細かく刻んでから熱湯で蒸らすことで、より成分が抽出されやすくなります。...

こどもの日と端午の節句。母に感謝し、菖蒲湯で邪気を祓おう

5月5日はこどもの日。 こどもの日といえば、こいのぼりや五月人形を飾っ...